一般社団法人 日本透析医学会の活動

一般社団法人日本透析医学会の医療安全に対する取り組み

一般社団法人日本透析医学会
理事長 水口 潤
危機管理委員会委員長 政金生人

 一般社団法人日本透析医学会は、透析医学すなわち血液浄化法(血液透析法,腹膜透析法,血液濾過法,血液吸着法,血漿交換法等)とその対象疾患の病因,病態に関する研究調査を行い,それについての発表,知識の交換,情報の提供等を行うことにより,透析医学に関する研究の進歩と知識の普及を図り,もって学術の発展に寄与することを目的としている。この目的を遂行するためには、日常の透析治療を安全に効率的に行うことが必要不可欠である。透析治療は体外循環や自己の腹膜を使用して体内に蓄積した尿毒素やその他の有害物質を除去する治療技術であり、多くの医療機器を用いてさまざまな職種の関わりのもと維持されている。そのため医療安全に対する教育や情報提供を体系的に行う必要があり、法人内に危機管理委員会を設置し、公益社団法人日本透析医会、公益社団法人日本臨床工学技士会、日本腎不全看護学会、一般社団法人日本医療機器テクノロジー協会(旧日本医療機器工業会)など関連団体と密な連絡をとり、透析治療における医療安全の推進・啓発に努めている。以下に平成25年度の危機管理委員会の事業計画を概括する。

一般社団法人日本透析医学会危機管理委員会の平成25年度事業計画

  1. 透析医療における安全管理、災害と透析医療をテーマとした学術活動の提案
    関連団体の学術活動への協力
  2. 災害下における透析治療の展開に必要とされる、学術的活動、自治体や関連団体に対する啓発活動、透析関連団体と連携して具体的な行動計画を策定
  3. 日本透析医会が中心になって行う、「透析医療事故の実態に関する全国調査」について、具体的な協力体制を展開し、透析医療における医療事故防止の啓発
  4. 危機管理委員会が主導で、本学会の理事、統計調査委員会地域協力員を日本透析医会の災害対策メーリングリストに参加させ、災害時の緊急情報の共有ならびに支援体制の構築にむけて協力
  5. 厚生労働省等から報告される、医薬品・医療機器などに関する緊急安全情報の中で、透析医療に関わるものについて会員に周知を図る
  6. 東日本大震災学術調査ワーキンググループの作成した報告書、災害時の透析治療の展開に関わる提言書を自治体、災害対策関連団体等に送付して、災害下の透析医療の整備に関する啓発活動を行う。

(2013-11-22)