静岡フォーラム 報告
医療安全全国共同行動静岡フォーラム実行委員会委員長
静岡県立病院機構理事長・静岡県立総合病院院長 神原 啓文
医療安全全国共同行動静岡フォーラムを平成21年7月12日(日)静岡市駿河区のグランシップで開催いたしました。梅雨の季節、前日まで雨模様との予報でしたが、当日は恵まれた一日となりました。参加者は900名近くの大盛況となり、開会が10分程度遅れるほどでした。これも医療安全に対する本県医療界の意識の高さの結果だろうと思っております。
さて、医療安全全国共同行動(日本版100K Lives Campaign)は、昨年5月から2年間をキャンペーン期間として実施されておりますが、静岡県では(社)静岡県病院協会が県内の推進拠点を引き受けることになり、静岡フォーラムの主催者として準備を行いました。幸いにして、県内のほとんど全ての医療関係団体が共催団体として参加してくれました。準備当初は暗中模索でしたが、各団体が行動目標に沿って分科会を引き受けて下さり、加えて放射線部門と臨床検査部門から別途分科会の開催要望が出され、当初予定の8分科会が10分科会となりました。各団体で分科会の講師や事例発表者の選定、参加者への呼びかけ、当日の進行等に全面的に協力して下さったお陰で、成功裡に終了することが出来ました。
もっとも、今回1度のフォーラムで終了というわけではなく、まさに今回が始まりであります。開催に先立つアンケート調査で、ほとんどの医療施設が医療安全全国共同行動についての認識はあるが、8つの行動目標があることについては知らない場合が大半でしたし、県内で登録病院になっている施設はフォーラム開催時点で20病院を数えるに過ぎない状況でした。この静岡フォーラムを機に医療安全に対する意識を益々高め、有害事象を可能な限り低減させていくことが我われ医療関係者の責務であります。従って、職域を越えて共に手を携え医療安全を推進して参りたいと思います。
最後に、ご多忙の中お出でいただいたご来賓の皆様、ご協力いただいた各共催関係団体、分科会を盛り立てて頂いた医療事故防止部会委員、分科会講師、事例発表者の皆様、後援していただいた団体、マスコミ及びご協賛いただいた各社に、またとりわけ熱心に聴講された参加者の皆様に改めて感謝と敬意を表したいと思います。