鹿児島フォーラム 報告
わかりやすい内容で好評、共同行動への期待が高まる
鹿児島フォーラム実行委員長 鹿児島大学病院長 高松 英夫
同実行委員 鹿児島大学病院 ゼネラルリスクマネジャー 田畑 千穂子
平成22年4月24日(土)、鹿児島大学の高松英夫病院長を実行委員長として鹿児島大学病院鶴陵会館で “医療安全全国共同行動鹿児島フォーラム”を開催いたしました。開催に向け、鹿児島県で医療安全全国共同行動に参加登録の8施設の賛同と連携で、鹿児島フォーラムの中核となる実行委員会を立ち上げました。さらに、鹿児島県をはじめ県内の13の医療関連団体と3つの医療機器メーカーの共催を得ました。
参加者は80施設の342名で、医師・薬剤師・看護師・放射線技師・臨床工学技士・歯科衛生士など幅広い職種と、川薩・南薩地区、姶良・大隅地区、大島など離島や宮崎県など南九州全域からの参加となりました。
フォーラムは、佐賀大学総合診療部部長の小泉俊三先生による基調講演に始まり、医療安全全国共同行動が提唱する8つの行動目標のうち、4つの行動目標について推奨する対策の説明と取り組み事例の報告がありました。
まず、『危険薬の誤投与防止(PDF:5.8MB)』は、鹿児島大学の下堂薗権洋先生による4つの推奨対策について講演があり、事例として、鹿児島生協病院の堀之内ルミ先生の救急カート薬品の整理に関する報告がありました。続いて、『医療機器の安全な操作と管理』は、武蔵野赤十字病院の杉山良子先生が輸液ポンプ・シリンジポンプ事故の発生要因や教育・実技指導の重要性を講演されました。事例は、鹿児島医療センターの東幸代先生による医療機器の安全操作教育、指導評価表や持続点滴のチェック表などへの取り組みが報告されました。『人工呼吸器の安全な操作と管理(PDF:7.4MB)』は、鹿児島大学の垣花泰之先生が生体モニターを装着することやパルスオキシメーターも有用であることを講演されました。事例は、南九州病院の前田初子先生から人工呼吸器の保守点検の確実な実施、動作確認、生体情報モニターを必ず装着するシステムづくりの報告がありました。『患者・市民の医療参加』では、東邦大学医学メディアセンター次長の山口直比古先生が患者図書室のつくりかたについて講演されました。事例は、阿久根市民病院の木山淳子先生から患者誤認対策として「安全は名前から」の活動が報告されました。
特別講演の『静脈血栓塞栓症防止』は、講師に近畿大学医学部附属病院安全管理部医療安全対策室副室長の保田知生先生を迎えました。具体的な深部静脈血栓の解説はとてもわかりやすく、多くの参加者に「驚き」をもって受け止められ、静か過ぎるほどの会場となっていました。
終了後のアンケートでは、「医療職1年目で参加させていただきましたが、とてもわかりやすく、患者様・及び医療者自身に対しても安全への取り組みの大切さがわかりました。これからフォーラムに参加される方がさらに多くなり活動がより広まっていけばと思います」という感想がありました。また、同時に開催した患者図書室のパネル展(日本看護協会の支援による)に対してもよい評価をいただきました。そして、今後も地域フォーラムを望む意見や2周年を迎える医療安全全国共同行動の組織的な活動への期待と継続への要望が多く寄せられていました。
4つの行動目標について推奨する対策の説明と取り組み事例の紹介」より
- 「危険薬の誤投与防止(PDF:5.8MB)」
鹿児島大学病院 薬剤部副部長 下堂薗権洋 - 「医療機器の安全な操作と管理・人工呼吸器(PDF:7.4MB)」
鹿児島大学病院 集中治療部副部長 垣花泰之
取り組み事例の紹介
- 鹿児島生協病院
- 鹿児島医療センター
- 南九州病院
- 阿久根市民病院
→ 病院の活動紹介 からご覧になれます。