宮城フォーラム 報告

宮城県の医療職全体での取り組みを確認

宮城県医師会常任理事 医療安全担当
東北大学病院 医療安全推進室 藤盛 啓成

 平成22年5月22日、“いのちをまもるパートナーズ”宮城フォーラムを仙台市医師会館で開催した。宮城県医師会、仙台市医師会、宮城県看護協会、宮城県歯科医師会、宮城県病院薬剤師会など総勢10の職能団体で構成する宮城フォーラム企画委員会が主催となり、準備期間が非常に短かったにもかかわらず、伊東県医師会会長をはじめ宮城県医師会の全面的協力があって実現した。

photo 午前中は伊東潤造宮城県医師会会長、佐々木淳宮城県保健福祉部次長の挨拶で始まり、東北大学病院医療安全推進室の藤盛が「医療事故防止対策の考え方」として現代心理学的アプローチによる医療事故の解釈と事故防止の考え方および事故防止対策の立案法について基調講演を行った。続いて、共同行動のキャンペーンビデオ、応援メッセージ、海外応援メッセージをビデオで上映した。午前中最後は、東北大学国際保健学の上原教授が「医療安全全国共同行動の提案」として、共同行動の目的、方法、目標とする成果、中間評価などについて紹介した。なお、上原先生は、共同行動は5月以降も病院登録を受け付ける、平成22年11月以降は体制整備を行ったうえで第二期の全国共同行動を引き続き行う予定と披露された。
 昼の昼食時間を利用して、宮城県看護協会の協力で多職種参加の宮城県内の医療安全管理者ネットワーク(仮)を設立するための意見交換会を開催した。約30名の参加があった。その結果、参加者全員一致で、医療安全管理に関する情報交換を行う多職種横断的な「宮城県医療安全管理者ネットワーク(仮)」を設立するための準備会議開催参加を宮城県内の各医療職能団体に呼び掛けることにした。なお当分の間は東北大学病院医療安全推進室の藤盛が事務局を担当することにした。
 午後は医療職能団体、各病院から医療安全に関する取り組み事例の発表を行った。「行動目標6急変時の迅速対応」についての発表はなかったが、それ以外の行動目標について8施設から14題の発表があった。プログラムの余裕がなかったため、会場からの質問を多く受ける時間がなく、コーディネーターの藤盛がファシリテーター役を務めて発表7分で16時に終了した。発表終了後、東北公済病院宮城野分院総看護師長の鈴木光子先生と国立病院機構仙台医療センターの斎藤泰紀先生から講評と総括をいただいた。最後に宮城県歯科医師会の遠藤宏人先生からフォーラムの締めの挨拶を頂戴した。

 今後、多くの中小病院での医療安全に関する課題を明らかにし、宮城県の医療職全体で医療安全に取り組んでいくことを確認して会を終わった。当日は土曜日で、仙台市内で様々な医療関係の研究会や会議があったが、150人もの参加者があり、具体的な取り組みの成功事例と課題が紹介され、大変有意義な会となった。
 この場を借りて、企画運営にあたってくださった宮城県医師会の皆さま、宮城県看護協会の皆さまをはじめ、宮城フォーラム企画委員会の皆さまに厚く御礼申し上げます。