東京シンポジウム~有害事象から患者さんを守ろう 報告
経験・知識を共有して現場で活かそう
医療安全全国共同行動 東京シンポジウム 実行委員会事務局
独立行政法人国立国際医療研究センター 戸山病院 副院長 清水 利夫
2010年3月22日(月)、国立国際医療研究センター戸山病院協力局5階大会議室にて「医療安全全国共同行動 東京シンポジウム~有害事象から患者さんを守ろう」を開催し、3連休の最終日にも関わらず300人近い方にお集まりいただきました。午前は河野先生の「実行可能なエラー対策(PDF)」と各職能団体の取り組み報告、午後はテーマ別のご発表を9題いただきました。また患者市民の医療参加のポスター発表もいただきました。準備から最終プログラムの確定、そして当日まで充分な時間がありませんでしたので、講師の皆様、ご参加の方々にはいろいろご無理とご不便をおかけしました。主催者側としては9時の受付開始までは何人の方にご参加いただけるか不安でしたが、10時には会場がほぼ満席となり安堵した次第です。
医療安全全国共同行動では全国フォーラム以外にも各地でセミナー、シンポジウムなどが開催されております。今回の東京シンポジウムも東京地区を対象とした共同行動の一つとして企画・実行いたしました。推進会議構成団体の東京都「支部」として東京都医師会、東京都看護協会、東京都臨床検査技師会、東京都放射線技師会、東京都臨床工学技士会などのご協賛をいただけたのは医療安全には職種を超えた協力が必要であると、それぞれの団体が考えておられる証だと思います。
基調講演「実行可能なエラー対策」では「もっと話を聞きたかった」「エラー対策として聞いた話をすぐに役立てるつもりです」という感想をたくさんいただきました。
今回のシンポジウムは普段から忙しくて全国フォーラムにはあまりご参加いただけていないだろうと思われる病院を対象にプランニングしましたので分科会方式はとらず、一つの会場ですべての講演とディスカッションを聴いていただくことにしました。私共の狙いは当たったようで「普段あまり聞いたことがなかった他職種の話を聞けたことが有意義だった」「すでに共同行動に加わっているが、積極的に関わっていない行動目標についての話を通して聞けたのがよかった」などの声をいただきました。もちろん、反対に時間がハードすぎたというご批判もいただきましたので、次の機会に活かしていきたいと思います。
救命救急科を持たない病院でのRRT (Rapid Response Team) の立ち上げ経験のお話と3次救急を行っている病院でのRRS(Rapid Response System)のお話はこれもたくさんの共感を呼びました。
そして参加者は自分たちの病院でも頑張ろうという元気を貰いました。それぞれの病院で職種を超えた医療安全の連携が進むことと思います。今回の東京シンポジウムを契機に都内からこの全国共同行動に参加登録する病院がもっと増えればよいと思います。参加された皆さん、それぞれの病院の職場の人たち、病院長を巻き込んで医療安全の輪を広げていこうではありませんか。
すでに周りに仲間がたくさんいることも判りました。一人で一から始めるよりはお互いの経験・知識を共有して始めるほうがずっと楽です。東京シンポジウムで学んだことを明日からでも現場で活かしましょう。医療安全はみんなの願いです。